久良工務店ー久良大作のブログ

大工ですが、建築以外のことを綴ります。 建築については「木の家をつくる~土に還る家づくり」へどうぞ。

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寝過ごし

いつになっても学ばないもので、ふと目が覚めると乗客は疎ら、車窓も真っ暗で人家の灯りも見えない。二駅乗り過ごして海沿いの無人駅に降り立った。折り返しの電車は日中も一時間に2本、ましてや夜は1本しか無い。自力帰宅は断念して家に電話をかけ、駅舎の道を隔てた反対側の漁港、防波堤の上に体を横たえた。性懲りも無くまどろんでいると、こちらの存在を知ってか知らずか、しばらくして一台のプリウスがハイビームのまま停車して、運転手はライトを消すことも無くそのままあたりを散歩しはじめた。プリウス嫌いにますます拍車がかかった出来事。

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懐中時計

 大工になってから、腕時計をはめなくなった。それまで使っていたものは何個もあったはずだが、壊れたか、無くしたか、今手元に残っているものは一つだけ。それはいま木の枠にはめ込んで車中の置き時計として使っている。腕時計とはもともと相性が悪かったのだろう。そんななか、小学生のとき父が国鉄の払い下げ品として松坂屋で買ってくれた懐中時計だけはいまだに愛用している。ゼンマイ式で毎日巻かないと止まってしまう。これまた車中の置き時計として、先のクォーツのものと並べてトラックの運転席に置いている。クォーツの時計を見て懐中時計の時計の針を合わせてねじを巻くのが、朝、現場に向かう前のトラックに乗り込んでからの最初の仕事だ。朝いつものようにねじを巻くと「プチッ」とバネが切れた。これで3度目。以前、時計店に修理に持ち込んでは断られ、やっと修理してもらった苦い思い出があるが、最近、腕利きの小さな時計店と顔馴染みになったので、今回は安心だ。
 修理ができたとの電話をもらい、引き取りにいった。店は古い木造で4帖ほどの広さ。白髪の老紳士がいつものように迎えてくれた。時計の状態は悪くなく、まだオーバーホールの必要性はないだろうとのこと。修理内容の説明してくれ、「バネがなじむまでは優しく巻いてやってください」と、切れた古いバネを見せてくれた。さびも無く銀色に光っていたので「バネの材質はステンレスですか?」とたずねると、「よくわからんのです。どうも企業秘密のようです」 バネは幅3ミリ、長さ50センチ、厚さ0.3ミリほどのもの。休み無く動き続ける時計の動力部、強さとしなやかさと耐久性が必要で、技術の結晶らしい。畑違いのことではあるものの、同じ職人の専門的、技術的な話が聞けるのはひとつの楽しみだ。昔の鉄製のバネは、建具屋さんがよくもらいにきたそうだ。雪見障子の押さえに埋め込むバネとして、切って使えばちょうど具合が良いらしい。建具屋の衰退に伴ってか、いまはもう声をかけてくることも無いそうだ。何か使えることもあるかもしれない、と「古いバネ、いただいて帰っても良いですか」とたずねて持ち帰った。


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背負うということー番外編

 「両手は開けておけ」とよく言われたことを思い出す。手がふさがっていてはいざという時に対処しづらいからだ。物心ついてあてもなく一人旅によく出たが、いつもリュックだったように思う。自転車と電車と徒歩が主な移動手段であるならば、それが最も動きがとりやすい。車を運転するようになってからは手さげかばんで行動することも多くなったが、それでもたまに列車で出かけるときは、やはりいまでもリュックだ。
 年数回都心に出かける。新幹線のプラットホームに上ると、ころのついた鞄を引きずっている人を多く見かけるようになった。列車が到着するとホーム上は雑踏とともにあちらこちらからゴロゴロ、ゴロゴロ、とかまびすしい。引いているのはほとんどが若い男女。それほど大きくもない鞄。「どうして背負わないんだろう?」転がす方が楽には違いないだろうが、健康な男女が数人で喋りながら音を立てながら荷物を引きずる様は、かっこ悪く、また恥ずかしい。「不測の事態が起こったときはどうするのだろう?」と考えて、はたと思った。決まったあるいは決められた道を受け入れて歩いて行く者と、いつでも途中下車できるように身構えている者との、生き方の差なのかな、と。

ホームページつくりました。


「久良工務店」大工・久良大作の-土に還る家づくり-

私のブログ二つの更新状況もわかるようになっています。
ブログ共々、今後ともよろしくお願いします。

大工 久良大作

「がんばろう、日本」という欺瞞、あるいは、福島原発事故に関する講演会のお知らせ


 国の役割の根幹は国民の生命を守ること。
 原発事故から数日間にわたって膨大な量の放射能が排出された。それがわかっていたにもかかわらず、この国は情報を流さず、無作為によって国民に無用の被爆をさせた。パニックが起きて政府に矛先が向くことを恐れ、判断材料となる具体的なデータや数値は公表ずることなく「直ちに身体に影響を及ぼすものではない」と繰り返し、繰り返し流布して、女性や子供達を莫大な量の放射線に曝した。

 日本中あちらこちらで「がんばろう、日本」との声高らかだが、私は賛同しかねる。このスローガンには二つの欺瞞があると思うからだ。ひとつは、このことばの言い出しっぺが、政府やマスコミあるいは大企業といった為政者側からのかけ声である感が否めないこと。彼らは原発推進を金科玉条にしてきた、いわば加害者側となる当事者だ。今回、彼らには、謝ること以外に何も言う資格はない。ましてや被害者に向かって「がんばろう」などと声をかけることは、原発事故の被災者にとっては、強姦者本人から「大丈夫、がんばろう」と声をかけられるに等しい。「がんばろう」ということばは、被害者である当事者から、あるいはそれに極近い近親者からの、内から湧き起こる魂の叫びでなくてはならない。もうひとつは、呼びかける対象を「日本」と、十把一絡げにすることで、加害者である彼ら自身をもそれとなくその中に含め、自らも被害者の仮面をかぶり免責されようとする、巧妙な嫌らしさを感じるからだ。

 この国は、国民の生命を守る意識のないことを、今回、我々に曝しました。自分の身は自分で守るしかないとうことです。政府から「安全です」とのお墨付きをもらって思考停止に陥ることは、もうやめなければなりません。
 所属する「杢人の会」で講演会(勉強会)を開きます。講師はたくきよしみつさん。福島県川内村在住で、福島第一原発から30キロ圏内に今も暮らしている小説家、音楽家です。現地からの報告会というかたちで、いま何がおこっているのかを中心に話していただく予定でいます。どうやって放射能から身を守るかといった技術論ではなく、これから否応無しにつきあってゆかねばならない放射能と、われわれはどう向き合うべきなのか、といった内容になるかと思います。入場無料で、どなたでも入れます。興味を持たれた方はどうぞ参加してください。

講演会パンフ

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