久良工務店ー久良大作のブログ

大工ですが、建築以外のことを綴ります。 建築については「木の家をつくる~土に還る家づくり」へどうぞ。

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とある和食屋にて

 連れ合いのつくった弁当を持って現場に出かけ、仕事が終わって家に戻ればすぐに一杯。普段こんな生活を続けていると外食の機会はほとんどない。たまに「今日はいいよ」と言って買って食べたコンビニ弁当は味付けが濃く、三口食べれば飽いでくる。悲しいかな、街はチェーン店全盛の時代で個人営業の食べ物屋はここ岩国でもどんどん少なくなってきている。マニュアル化された食べ物をすすんで食べようとは思わないので、たまに家族で外出しても「家に帰って」となることが多い。行きつけの店(飲み屋ではなく)というものができればと、はかない期待はするが、10年経ってもなかなか実現しない。
 現場の近くに以前から気になっている和食屋があり、ずっと機会を伺っていたのだが、現場を去る段になってやっと訪れることができた。連れ合いと仕事を午前中に終えてその店に行く。旧街道筋だが、一般住宅を改造したようなつくりでしゃれた風情といった趣きは特にない。駐車場に車を止めて入り口の戸を引くが開かない。近くで草むしりをしていた初老の女性がその様子を見て「こちらから」と勝手口から中に通してくれた。どうやら、今は夜だけで昼間店は閉めている様子。薄暗い店内で所在無さげにしていると「定食でしょ」とわずかに微笑んで奥の厨房へ消えた。カウンターで待つこと10分。トンカツにご飯にみそ汁、そして和え物、きんぴら風の野菜、魚の南蛮漬け、そしてたくあんが、行儀良くお膳に盛られて出てきた。この店を知った経緯はお客さんからいただいた仕出し弁当だったこと、またそれが非の打ち所がないほど見事なものだったこと、その時のはし袋から店を探し当てたことを告げて食べはじめた。出てきたのは、あくまで「トンカツ定食」だったが、期待を裏切らないすばらしい定食だった。特に小鉢。旬の野菜と魚を素材とするそれらは大きな一枚のトンカツより光っていた。おいしいのはもちろんだが、一品ごとに作り手の気持ちが伝わってくるような丁寧な料理だった。ご飯のおかわりをお願いするとこれまた丁寧にお盆にのせて山盛りのご飯を差し出してくれた。勘定は二人で1300円。ひとり650円という値段にも改めて驚嘆し、連れ合いと顔を見合わせた。帰り際「また来てもいいですか?」と尋ねると、女性は声なく、再度、わずかに微笑んだ。
 帰りのトラックの中で連れ合いと、さきの料理について話をしたのだが、その野菜が何か、何の魚なのか結局わからなかった。
 
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