久良工務店ー久良大作のブログ

大工ですが、建築以外のことを綴ります。 建築については「木の家をつくる~土に還る家づくり」へどうぞ。

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猥雑さを求めて

 杢人の会の集まりのため、再度埼玉へ。今回は槌田敦氏を招いての勉強会。物理学者である氏はCO2による地球温暖化を否定する論文を掲げ、マスコミから抹殺された。エントロピー論で、動くものすべてを説明できるとするその話は熱力学からエネルギー問題、原発、生態系、自由貿易、経済活動、農業とあらゆる範囲におよび、大変興味深かった。70歳後半を迎えるというのに、私たち大工を相手に杯を傾けながら16時から23時ころまでお話しいただき、あらゆる質問にこたえていただいた。エネルギー問題などたいしたことではないとおっしゃるので、「今一番の問題は何ですか?」と問うたら、「生態系の問題ですね」と槌田さん。
 声の大きいものにだまされぬよう、自らのアンテナを研ぎすまし、感性を豊かにしておかねばならない。

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 翌日はうってかわって経営実務のお勉強。杢人大工たちにとっては、できれば避けて通りたい話題だが、決して裕福とは言えない我々自身の問題でもある。そもそも「利益とは何ぞや」といったところから説明せねばならないのだから、講師にとってみれば小学1年生相手の授業といったところか。

 勉強は日曜の昼でおわり、7時間かけて岩国の自宅に戻る。埼玉の最寄り駅近くで弁当を買い、ひとり駅前のベンチに座り遅い昼食。再開発された駅前は高層ビルと整然とした道路と公園。目の前には「放置自転車撤去ー引き取り場所の案内」の看板。2月というのに気温は高く、時に吹く風も生暖かい。人影はまばらで車も客待ちのタクシー以外ほとんどない。時折中高生とおぼしき自転車が携帯の画面を目で追いながら目の前を横切るくらいで、町の清潔感がいっそううら寂しさを増幅させていた。場違いな自分を自覚して、早々に飯を口にかき込んで改札を通りプラットホームに降りた。
 年数回ある片道7時間の行程は、無為に過ごせる貴重な時間となっている。数冊ある中から読みたい本を選んで開いたり、昼夜関係なくつまみ片手に酒を飲み惰眠をむさぼったり、普段考えないようなことをふと考えてみたり。
 広島で在来線に乗り換えのため下車。接続が悪く30分ほど時間ができたので改札を出てふらりと外へ。広島駅近くには戦後の面影を残す古くて狭い飲屋街が今も残っている。日曜日の夜とあってか半分以上シャッターがしまっていたが、そのうち開いている一つの立ち飲み屋へ吸い込まれた。といっても路地にカウンターがあって半屋外。缶ビールと焼き鳥2本で500円。注文とほぼ同時に出てくるので勝負は早い。結局熱燗1杯と焼き鳥2本を追加して駅に戻り、予定通り在来線の列車に乗り込んだ。焼き鳥といっても既に焼いてある冷めたものを暖め直して客に出すので決して美味しいという類いのものではないのだが、それでも十分に満たされて残りの家路についた。振り返って思うに、新幹線の車中で既にビールを飲んでいたので、けっして飲みたりなくて立ち飲み屋に寄ったのではないのだろう。昼間の整然とした無機質なデオドラントな街の中で片方に振れた自分の感覚を元に戻す行為であったのではないか、と考えている。
 整っていないもの、薄汚れたもの、臭いもの、ひねくれたもの、猥雑なものを排除することがまちづくりであるならば、私はそれに反対する。この飲屋街にもご多分に漏れず再開発の計画があると聞くが、前に進まないことを心から祈る。今の状況を応援すべく、機会あるごとに立ち寄りたい。

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 田舎の一軒家の軒下に女性用の下着がぶら下がっているのを見てもあまり猥褻さは感じないが、団地や新興住宅地に干してあるパンティは妙にエロチックに映る、と誰かが言っていたようだが、同感。いや、この話は特に関係ない、か。
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